干潟のカニたち

 大潮の干潮時に見られるユニークなカニたちの生態をご紹介。スナガニのなかまは巣穴をつくって生活しており、近づくとすぐ穴にもぐりますが、そっと観察しているとユニークな行動を見せてくれます。

「ヤマトオサガニ」 広大な泥干潟に無数にある巣穴から一斉に出て活動する光景は壮観。泥をハサミですくってエサを食べる姿とオスの求愛ダンスが見もの

「チゴガニ」 周囲の個体より一瞬でも早くハサミを振り上げメスの気をひこうと懸命なオスのウェービングに注目。白いハサミが多数シンクロして波打つ光景はとにかくユニーク

「ハクセンシオマネキ」 片方のハサミが巨大化したオスは、食事に片手しか使えない。でも潮を招くようなオスのハサミ振りダンスが笑えます

「コメツキガニ」 エサ(有機物)をとりながらすばやく砂ダンゴをつくり、これでバリケードもつくっちゃう

 こどもサイエンスショップでも人気の「干潟」は個性豊かな生きものの宝庫。水槽展示では見ることが難しい行動や生態と広々とした自然の空気感はフィールドならではのほんもの体験。小型で地味な生きものたちが主役となるフィールドですが学芸員/サイエンスコミュニケーターとしておすすめできる観察スポットです